製造業のデータ移行|品番・ロット・検査基準を安全に引き継ぐ
製造記録は最新マスタだけ移せばよいものではありません。過去ロットが当時どの品番、工程、検査基準で記録されたかを再現できることが重要です。

先に結論品番とロットの関係、当時の基準版、測定値、承認履歴を一組として移し、現場で検索と帳票を確認します。
現行マスタと過去記録を分けて整理する
品番、工程、設備、検査項目、単位、基準値の現行マスタと、過去ロットが参照した値を分けます。現行名称へ一括置換すると、過去帳票の表示や判定根拠が変わるため、旧コードと版を保持します。廃番や統合品番も移行対象から黙って除外しません。
親子ロット、分割、再加工、保留、再検などの関係を一覧化します。旧データに欠損がある場合は推測で埋めず、未確認として識別し、品質責任者が扱いを決められる状態にします。
単位・桁・時刻を変換前後で確認する
温度、重量、長さなどの単位と小数桁が変わると、値が同じでも意味が変わります。文字列から数値への変換、ゼロ、未測定、範囲外、時刻帯を含む日時を少数データで試し、元画面と新画面を横に並べます。
新システムの基準で過去データを自動再判定せず、当時の判定と基準版を保存します。CSVの丸めや先頭ゼロ、文字コードにも注意し、変換ルールと例外件数を記録します。
ロット単位で件数と添付を照合する
製品別・期間別のロット数、工程記録数、検査件数、添付写真数、承認済み件数を比較します。正常なロットだけでなく、保留、再検、欠測、複数工程、写真が多いロットを抜き取り、検索から帳票出力まで確認します。
コピーに失敗した添付、重複した測定、存在しない工程参照を一覧化し、勝手に削除や補完をしません。移行ログには元ID、新ID、結果、実行日時を残し、同じ処理を再実行しても二重登録しないようにします。
一工程で試してから生産切替する
テスト環境で入力、検査、保留、再測定、承認、CSV、帳票を一巡し、一工程または一製品で並行運用します。生産を止められる時間、差分取込、旧側の更新停止、現場端末の切替順を決めます。
問題時の復旧では、切替後に入力した記録を失わない手順が必要です。旧システムは参照専用で保持し、品質責任者が過去ロットと当日の新規ロットを確認してから対象を広げます。保存期間や合否ルールは規程に従い、開発側で変更しません。
相談前にそろえるもの
- 旧コード・基準版
- 単位・桁・日時
- ロット別件数
- 添付・承認履歴
- 工程別の段階切替
全部そろっていなくても構いません。分かる範囲を確認し、業務ルールや金額に関わる部分は担当者と一緒に決めます。