製造業の検査記録は誰が直せる?権限と版管理の設計
検査記録は入力できる人を増やすだけでは安全になりません。測定者、確認者、品質責任者、基準管理者が行う操作を分け、過去ロットと当時の基準を固定して残します。

先に結論測定値、判定、基準版、品番、ロット、出力を別の権限として試し、訂正前後を追える状態にします。
測定・確認・基準改訂を同じ権限にしない
現場担当は割り当てられた工程の測定値を入力し、確認者は再測定や保留を判断し、品質責任者は現行手順に従って最終状態を確定します。検査基準の登録と改訂はさらに限定し、測定者が入力中に範囲や単位を変えられないようにします。
システムは範囲外や未入力を警告できますが、合否や出荷可否を未確認のルールで自動決定しません。誰がどの状態へ変更できるかを状態遷移表にし、通常、保留、再検、取消の経路をテストロットで確認します。
過去ロットを当時の基準と結び付ける
基準を改訂しても、過去の測定値へ新基準を上書き適用しません。基準番号、版、有効開始日、単位、桁数を記録し、ロットが使用した版を保持します。現在のマスタを参照するだけでは、数か月後に当時の判定根拠を再現できなくなります。
品番や工程名を変更する場合も、表示名の変更と過去記録の置換を分けます。統廃合した品番、再加工、分割ロット、親子ロットを試し、検索や帳票で履歴が途切れないことを確認します。
訂正・CSV取込・削除を監査できるようにする
誤入力の修正は必要ですが、確定値を直接上書きせず、変更前後、理由、実行者、確認者、時刻を残します。CSV取込は件数、重複、空欄、単位違いを事前表示し、同じファイルの再取込で二重登録しない識別子を持たせます。
一括出力と一括削除は通常入力から分離します。設備条件、配合、顧客仕様など機密性の高い列を、画面では隠してCSVへ含めないよう出力権限と列を確認します。保存期間と削除可否は品質規程や契約を責任者が決めます。
共有端末と復元後の権限を試す
製造現場の共有タブレットでは、作業者切替後に前のロットや下書きが残らないこと、バーコードで別工程へ誤って入らないことを確認します。端末故障時は端末だけを停止でき、他端末の作業を止めずに済む運用が必要です。
匿名の複数ロットで入力、保留、再測定、承認、基準改訂、CSV、アカウント停止、復元を一巡します。復元後の件数だけでなく、基準版、承認者、変更履歴、添付写真を抜き取り照合し、品質責任者の合格後に対象工程を広げます。
相談前にそろえるもの
- 測定・確認・基準管理の分離
- 当時の基準版
- 訂正前後の履歴
- CSV取込・出力
- 共有端末と復元
全部そろっていなくても構いません。分かる範囲を確認し、業務ルールや金額に関わる部分は担当者と一緒に決めます。