会計資料システムのデータ移行|顧客・年度・版を混ぜない確認法
会計資料の移行で最も避けたいのは、件数は合っているのに顧客や年度が入れ替わることです。顧客単位の分離と資料の版を保ったまま、小さな単位で検証します。

先に結論顧客コード、対象年度、資料種別、版、担当を軸に照合し、旧資料を消さずに参照できる期間を設けます。
顧客コードと年度を移行の軸にする
顧客名は表記揺れや同名があるため、名称だけで結び付けません。顧客コード、法人・個人区分、対象年度、対象月、資料種別を整理し、旧システムの識別子も保持します。重複候補は自動で一つにせず、担当者が確認できる一覧にします。
休眠、契約終了、担当変更済みの顧客をどう扱うかも先に決めます。過去担当者を削除して記録者が空欄になることを避け、現在のアクセス権限と当時の提出・確認履歴を分けて移します。
ファイルの版と確認状態を保つ
同じ名前のPDFやExcelが複数ある場合、最新だけを残すと提出経緯が失われます。提出日時、提出者、差し戻し、再提出、確認済みの状態を版ごとに保ちます。ファイルのハッシュや容量を記録すると、コピー後に内容が変わっていないか確認できます。
パスワード付き、古い形式、破損、容量超過など、移せなかったファイルを失敗一覧へ出します。機微な資料を検証のために外部へ送らず、匿名化したテストデータと管理された本番複製を使い分けます。
顧客別の件数と期間を照合する
全体件数だけでなく、顧客別・年度別・資料種別の件数、最古・最新日、容量を比較します。資料が多い顧客、年度をまたぐ顧客、担当変更がある顧客を抜き取り、顧客画面と職員画面の両方から同じ資料へ到達できるか確認します。
CSVに顧客名やファイル名を書き出して機械的に比較すると、欠落や混在を見つけやすくなります。ただし照合ファイル自体も個人情報を含むため、保存先、閲覧者、削除時期を管理します。金額の再計算はせず、確定済み数値を比較します。
繁忙期を避けて段階的に切り替える
一部顧客で提出、確認、差し戻し、再提出、ダウンロードまで試し、問い合わせの増加や通知漏れを確認します。切替期間は申告や月次の繁忙期を避け、旧側の最終更新時刻と新側の受付開始時刻を明確にします。
問題時に旧環境へ戻す条件と、切替後に受け取った新資料の退避方法を決めます。旧環境は参照専用で保持し、保存期間や削除は事務所の規程と責任者判断に従います。顧客間の分離テストが通るまで全顧客へ広げません。
相談前にそろえるもの
- 顧客コード・年度
- 資料の版と状態
- 顧客別件数・期間
- 権限分離
- 切替と復旧手順
全部そろっていなくても構いません。分かる範囲を確認し、業務ルールや金額に関わる部分は担当者と一緒に決めます。